本日、私は朝6時に家出をした。
お財布と常備薬と一冊の本だけもって。もちろんケータイも車もチャリンコも全部残していった。あまりに弱い内容の手紙の入った白封筒を、部屋の前に置いた。 お義父さんがちょうど朝ごはんをいる時に会ってしまったけれど、普通に「行ってきます」と挨拶して家を出た。
目的なんかも全然考えていなかたったので、とにかく川岸をとぼとぼ歩いた。朝の6時くらいだった。最近、まともに歩くことも立ち上がることもまだだったけれど、今日は痛みも少なかったから頭の中はほんとはなにも考えずに、ただとぼとぼ歩いた。
ケータイを持たずに過ごす時間が、気持ち良かった半分は迷子になりながら、やっと珈琲館でお茶を飲んだ。行くあてもないし、またブラブラした。 それで漫喫に一時逃げ込んだ。
家を出た理由は、ここでまともに話しきれない。とにかく、ひとりになりたかったし逆に好きなことを自分のペースでやりたかった。でも私にはそんなことしかできなかった。 現実的には、世の中そんな簡単に自分中心に置くことなんてできないとあらためて思い知らされたし、自分がチキンなことも再度分かった。
もう行く場所もなくなってしかたなく家にむかっていたら、お義父さんの車が停まって、車に乗せられた。お義父さんは、朝早く私が家を出てから1時間くらい経っても戻ってこないと心配し、そしてだんなさんは私の置き手紙を見付け、朝から必死で捜し回ってくれた。いろんなお店や警察に聞きまわってくれたらしい。ケータイも持たず歩いる私を探すのは難しかったらしく、警察に失踪届けも出し、実家の両親と共に探してくれていた。
謝っても謝り足りないくらい、みんなに迷惑かけてしまうだなんて私は全然考えもしなかった。 だんなさんとお義父をはじめ私の両親にも私の思いが積み重なってしまい自らの命の炎を断つんじゃないかと思ったらしい。私の母親もだんなさんも泣いてくれた。
破裂してしまいそうな私の心は、パニック障害などが出現してしまい、呼吸するのでさえ困難になった。
私がだんなさんに渡した手紙には、正直でありのままの私を書いた。誰かを非難するようなことは、一切書かなかった。自分自身で真っすぐ自分を固めるまで、しばらく自分ひとりになって考えてみたい、綴った。その他にもいろいろ、自分の足りないこと等、ほんとにたくさん。
一向に良くならない薬物治療も歩行困難も、もう嫌だった。助かることを毎日考えているのに反比例するばかりの自分。 でも、他人を傷付けてまで幸せになんかなれないんだ。そして巻き込んじゃだめなんだ。 お義父さんは、「こいつが好きになった人は、俺にとっても大事な人なんだ。もっともっとリラックスして自然なままでいいんだよ。だって私はもう俺の娘なんだから。」嬉しかった。胃が激しく熱を持つかのように表現できないくらい感謝の気持ちや自己嫌悪等に感謝の気持ちが涙として溢れた。
私には、こんなに味方になってくれる人がいるんだなあ。それだけでも、私はしあわせ。 もう、こんな馬鹿なことは絶対しない。
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